10年以上の海水魚飼育で分かったこと

海水魚

10年も海水魚飼育を続けていれば、いろいろなことが分かってくるものです。最初はわからなかったけど、経験を重ねることで分かってきたことをまとめてみました。

海水魚飼育は長期と短期を意識する必要がある

どうやらちまたにあふれている海水魚の飼育方法には、短期的には有効だけど、長期的にはあまり有効でないものが多いような気がします。水流は弱い方がよい、といった記述だって、もしかしたら短期的なものであり、長期的には誤りかもしれません。

短期では有効だけど、長期ではまったく役に立たない代表例が、「キスゴム」です。あれ、そりゃ最初はぴったりとガラス面にくっつきますが、数か月もすれば確実に落ちます。少なくとも1年は持たない。水流ポンプをキスゴムでくっつけているようでは、数か月後には惨事に見舞われます。私は、水槽内に入れるものは、サーモスタットから温度計に至るまで、キスゴムなどという代物は一切使いません。

ライブロックだって、デスロックを使った場合は、短期的には見栄えが悪いですが、長期的にはしっかりと石灰藻がこびりついていい感じになります。短期的な視点で右往左往するのではなく、長期的な視点で飼育方法を検討する必要があるのです。

海水魚飼育するならフタしとけ

魚種にもよりますが、ハゼやベラなんぞは、わざわざ小さな隙間を狙って飛び出します。水槽横の床で干からびた魚を目撃するのは、本当につらい。飛び出しリスクの少ない魚を飼育してる場合でも、フタをしていない水槽は、水の蒸発により塩分濃度の変化が大きくなってしまいます。

貧弱な貧乏水槽で海水魚を飼育している場合、特に夏場は冷却ファンをガンガン回す必要があるのでフタをすることはできないのですが、クーラーを設置できる金持ち水槽であれば、フタは絶対にした方がよいです。

しかし、水槽上部はリフジウム水槽を設置したり、電灯を設置したりで、なかなか水槽のフタをぴったりと設置できないもの。場合によっては、自作したりや業者に依頼したりしてでも、自分の飼育スタイルに合った水槽フタを設置するとよいでしょう。

今後の引っ越しの予定を考慮に入れろ

飼育されている海水魚にとって、引っ越しは地獄です。特に暑い夏の盛りに引っ越しとなると、平気で水温は30度を超えてきます。つまり、あなたが海水魚飼育を検討しているのであれば、引っ越しの予定も考慮に入れる必要があるわけです。

一般的に、借家でワンルームに住んでいるような若者は、数年以内に転職や結婚で引っ越しする可能性が高いはず。そんな人は、少なくとも90cmを超えるような水槽で海水魚飼育をしてはいけません。あんな重たいものの引っ越しは自分では無理だし、業者に依頼したら水槽の引っ越しだけで、通常の引っ越し費用を超える代金を請求されますよ。

そんな私も、実は60cmの水槽の引っ越しを2回も経験しております。しかも2回とも真夏の盛りに…
普通の引っ越し費用の範囲内で、水槽の引っ越しもやってくれましたが、水を抜いたり生体を隔離したりで大変だったし、引っ越し業者のお兄さんも、重たくて汚い水槽を運ぶのは大変そうでした。

巨大地震を前提にした耐震対策を

首都圏において、マグニチュード7程度の地震の30年以内の発生確率は、70%程度だそうです。日本中どこにいたって巨大地震の可能性は高いと言わざるを得ないわけです。

実は私も、海水魚飼育をしているときに東日本大震災を経験しました。水槽の中の水が1/4程度はあふれてびしょびしょになったことを記憶しています。あの程度で済んだのはよかったと言えるのかもしれませんが、場合によっては水槽台から水槽が転げ落ちたっておかしくないわけです。

とうわけで、これから海水魚飼育を始める方は、耐震対策もちゃんと考慮に入れましょう。地震はほぼ確実に被害を及ぼします。地震の際の被害を考慮に入れて、保険に入っておくと安心です。

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