飼育方法の考察⑤底砂をどうするか

海水魚

生体以外で水槽内に導入することを悩むものとして、底砂が挙げられます。白いサラサラな砂を敷いておけば、もうそれだけでメルヘンなわけですが、底砂は問題点も多いわけです。それではどんな考え方で底砂を敷くことを検討すればよいのでしょうか。

底砂の役割①生物ろ過を補う

海水魚のろ過の大部分は、採用したろ過方法が担い、それをライブロックやライブサンドが補うわけです。貧弱な外掛けフィルターや上部フィルターといったろ過方法を採用した場合は、ライブロックやライブサンドがろ過の大部分を担うことになります。

ライブサンドの場合は、きめの細かいサンゴ砂を厚めにしけばそれなりのろ過能力を期待できるでしょう。サンゴ砂からカルシウムなどのミネラルが溶け出すので、良質な海水の維持にも貢献してくれるわけです。

底砂の役割②見た目をきれいにする

真っ白な底砂は、もうそれだけでメルヘンできれいです。底砂はパウダー状の細かいほど見栄えが良く、白い砂は本当にきれいです。

底砂の役割③底砂がないと飼育できない生物を飼育する

底砂がいないと生きていくことが難しい生体は結構多かったりします。私は個人的にオトメハゼが大好物で、砂をハムハムする姿に大いに癒されたものです。そのほとんどが、水槽のフタの隙間からダイブしてしまいましたが…
当時の貧弱で貧乏な水槽では、夏場はフタをしようにも冷却ファンを回さざるを得なかったことが原因でした。

そのほかにも、砂ごとモグモグたべるナマコも見てるだけで楽しいし、一部のベラなんぞは砂に潜るようですし、チンアナゴという始終砂の中に身を隠している魚もいるわけです。

底砂を敷かない理由

ところが、特にミドリイシなどのサンゴを飼育するアクアリストは、底砂を毛嫌いする傾向もあるようです。その理由は、海水品質の安定化。ライブサンドは厚く敷くと硫化水素という猛毒が蓄積されやすいという性質があり、水槽の海水品質を激変させるリスクがあることになるわけです。

特にミドリイシを飼育するような金持ち水槽の場合、ろ過能力をお金で解決できるので、ライブサンドのろ過能力なんてあてにする必要がないわけですよ。きれいなパウダー状の底砂なんぞは、水流で砂が舞うリスクもあって、サンゴに悪影響を与えてしまうわけです。

従いまして、底砂を敷くかどうかは、サンゴを飼育するかどうかや金持ちかどうかに左右されることになりそうです。私の場合は、生物多様性を意識した水槽にしたいと思ってますので、底砂は必須と考えています。以前の飼育方法では、10cmほどの底砂を敷いていましたが、今回は5センチほどの底砂を敷こうと思ってます。

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