海水魚飼育ならではの設備として水流ポンプが挙げられます海水魚だけで飼育するのであれば、あまり重要視しなくてもよいかもしれませんが、イソギンチャクやサンゴを飼育するのであれば、水流ポンプは必須であるといえるでしょう。
水流ポンプの役割
淡水と違って、海水は常に大きくうねっています。そこで生活している魚やサンゴにとっては、大きくうねることを前提として生きているわけです。魚であれば、海水の流れを利用して酸素を取り込んでいるし、サンゴやイソギンチャクであれば、海中を漂うエサを捕獲しています。水槽内で海水魚を飼育する場合は、水流がなくても生きていけるものもあるかもしれませんが、あるに越したことはないと言えるでしょう。
水流ポンプには、自然の海に近い環境を再現する以外にも、多くのメリットがあります。その一つが、酸素の補給。特に、プロテインスキマーを設置していない貧乏水槽の場合、水流ポンプを取り付けて海面を波立たせておけば、酸素問題は解決します。
ろ過能力が貧弱な貧乏水槽であれば、水槽内に淀みのない流れを作ることで、ライブロックやライブサンドのろ過能力を高めることができるはずです。私が以前採用していた貧乏水槽で、10年以上の長きにわたりハタゴイソギンチャクとカクレクマノミの共生を続けけることができた大きな要因は、水流ポンプにより水流に妥協しなかったことだと感じています。
したがって、サンゴを飼育するメルヘンで金持ちの水槽はもちろん水流ポンプは必要ですが、貧乏でサンゴがいないような水槽でも、ライブロックやライブサンドのろ過能力を引き上げや酸素の補給のために、やっぱり水流ポンプは必要になるのです。
水流ポンプの種類
水流ポンプは、基本的にファンが回転して水流を生み出す単純なものです。したがって、自然環境に近い、あの大きなうねりのような波を生み出すことは簡単ではありません。
私が以前、海水魚を飼育していた20年近く前は、できる限り太い水流を生み出す水流ポンプが重視されていました。ただし、それだけではランダムで複雑な水流が再現することが難しいため、水槽の壁に水流をぶつけたり、水流ポンプを複数設置したりしていたわけです。私の場合は、太い流れを生み出すメインポンプと、小さなサブポンプの2つを設置して水流同士をぶつけて複雑な流れを再現していました。
現在では、一つの水流ポンプでも間欠的な稼働をするものや、カミハタのポラリオのように左右両サイドに流れを生み出すものなど、ランダムな流れを生み出しやすいものが登場しています。なかには、レッドシーのReefWaveのように5万円を超えるような水流ポンプもあり、スマホで水流を細かく制御できるような機能も提供するようです。
この辺りは自分のお財布とも相談して最適なものを選択するようにしてください。私はコントローラが内蔵されていて、自動で間欠的な稼働をするものを選定する予定です。
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